レジ袋から見える海

 

切り取った光景はキレイで、嬉しくなって、魚屋へ行くたび、呑気に写真を撮った。

道端に自転車を止めて、片手にカメラ、片手にレジ袋を持って、太陽の光で撮影する。

持ち帰った魚は晩ご飯。ゴミになった袋は燃やされるのか、海を漂うのか。

切り取った光景の裏側は写らない。

海がプラスチックだらけなこと、気候変動が加速していること、私は知ってる。

海を漂うそれが私のゴミだって考えない。

目の前の日常はいたって平和、自分は暴力を振るうような人間じゃない。

都合の悪い現実をシャットアウトする無慈悲さで自分を守る。

だから、うっかり、しっかり、地球を傷つけていても、

目の前の光景は、ただキレイに見えた。

 

 

 

 

 

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目の前に見えている世界だけじゃなくて、

見えていない世界のことも考えたい。

この光景をキレイだと思って撮り始めた当初、

海洋ゴミ問題がどれだけ深刻かなんて想像もしなかった。

目の前の光景が美しく見えて、写真を撮った。

でも、見えていないどこかでは、

この写真に写っているプラスチックで汚されている場所が確かにある。

 

海に既に存在しているプラスチックゴミは1億5,000万トン

そこにさらに年間800万トンが新たに流れてるんだって

海洋プラスチック問題について |WWFジャパン

 

 

日常の中の美しさや豊かさを信じていたいけれど、

一度疑って、

見えていない世界を想像することで、

そこに破壊や搾取のない、

思いやりでできた本当の美しさ、豊かさに変えていきたいと思う。

 

暮らしの中のひとコマに、

遠い海の姿を見出して、

私たちの生活が、選択のひとつひとつが、心の有り様が、

この地球に投影されて、表現されていることを

表現してみたかった。

 

 

 

 

戦争もそうだと思う。

 

意地悪なことを考えていないか

必要以上のものを求めていないか

他人の権利を侵害していないか

選ぶ電気や食べ物、政治が誰かの命や豊かな自然を脅かしていないか

 

聖人じゃないから、

全てを見張って、完璧にするなんて難しいけど、

自分の中から戦争をなくして、

自分の中から平和を始めたい。

 

 

「自分の心地よさ、心の安定が一番大事だよ」

そう言って沢山の見えない暴力を許してきてしまったかもしれない。

自分を守るためになら悪者にもなれるくらい

残酷な自分が、自分の中にはいる。

 

だって、

でも、

でも、

でも、

でも、

でも、

 

だからこそ

残酷な自分を許せる残酷な自分がいることが希望なのかもしれない

こんな自分を認めてまっると愛して許して

許して

許すことができるなら

許しあうことも。

 

許すって結構残酷だけど

許すってすごく平和だから

 

許して自分の中に平和を作って

平和を始めていけたら。。

 

 

 

簡単に答えを出せるようなことではないけれど、

「NO!」と言うのと同時に、

何を望んでいるのかも言葉にしていきたい。

平和のことをちゃんと考えたい。

 

 

 

「レジ袋から見える海」は、

2020年に制作して、写真新世紀や1_WALLに応募して落選した写真たち。

コンセプトはいいけど、写真の技術が追いついていないというコメントをもらって

あ〜やっぱりそうか〜とか適当に自分の中で折り合いつけて

写真家になることを諦めちゃった。

沢山お世話になった写真の学校も何も言わずに行かなくなって、

写真もどこにも出せないまま、

全部中途半端だった。

 

 

エコしたい人なのに、プラスチック消費しまくってて恥ずかしくて

見せるのを憚られる気持ちが少しあって、、、

みたいなところもあるけれど、

隠したってこれが現実。

消費したことは真実。泣

 

 

 

同窓生が出版したり個展したりしてて

いいな〜って思う。

すごく素敵な写真集が出来上がってて、

極めれなかった、逃げちゃった私の写真も

誰かに見てもらいたいって思っちゃった。

 

 

 

 

 

見てくれてありがとう。